設計3次元CADで「3D図面の曲面オフセット」が難しいケースとして複雑なシェル要素、例えば自動車のインナーパネルがあります。「3D図面の曲面オフセット」は、国際標準化機構(ISO)、航空宇宙団体(LOTAR)、ドイツ自動車工業会(VDA)など国際的に評価が高いバイナリー解析技術によりダイレクトに大容量3Dデータを読込み、3次元CADでオフセット計算が難しい面のオフセットを高速に計算します。なぜ3次元CADはオフセット計算が難しいかと言いますと、理由は2点あげられます。まずは、サーフェイス方程式の問題があります。サーフェイス方程式にオフセット計算がないため各社が独自に近似アルゴリズムを作成し対応しています。次にトレランスの問題があります。ある一定のトレランスで接続されて形状は成り立っていますが、オフセット計算により接続されていたエッジがトレランスを越え、離れた状態、または内側に入った状態になり形状が成立できません。よくNXよりCATIA
V5の方がオフセット計算ができるとの意見を聞きますが、単純にCATIA V5の方がトレランスが甘いためです。ここで言うオフセット計算について説明します。基本的には3次元CADと同様な計算を行いますが、「ヒーリング」
や「ステッチング」 によって不都合が発生したエッジを、ART技術により自動修正を掛けながらオフセット計算を行います。このことによりオフセット計算は8割程度完成します。残りの2割程度は、オペレータが手動修正を行う必要があります。現在、3次元CADでトライアンドエラーで3D図面の曲面オフセットをしているケースと8割が自動オフセットできる場合とでは、リソースやスピードの観点から考えて効果があるとの判断で3D図面で運用されています。8割の自動化は魅力的な数字です。このオフセット計算を使い、「干渉チェック」で接触除外が完結しています。
 |