3DAモデルの成功例

3DAモデルの成功例

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3DAモデルの成功例

3DAモデルの成功例について

◆ 3DAモデル成功例の概要

近年の製造業界では、製品設計と生産の効率化および質の向上を目指して3Dアノテーション(3DA)モデルの使用が増えています。航空宇宙産業のエアバスと自動車産業のダイムラーは、この分野で先駆けとなっており、それぞれ異なる手法を採用しています。エアバスでは、製品の形状、製造情報、PMI(Product Manufacturing Information)を統合できるCATIA V5ソフトウェアを使用し、これらの情報をISO標準のSTEP AP242形式で出力しています。これにより、長期保存と他システムとの互換性が保証されます。ダイムラーでは、JT(Jupiter Tessellation)フォーマットとSolid Edgeソフトウェアを利用し、設計情報と生産技術の要件を追加しています。これにより、製品のサイズや形状の正確性が保たれ、品質や安全性が向上します。

3DAモデルの成功例

2024年03月

◆ 航空宇宙団体(LOTAR)の例

エアバス社は、航空機製造業界のリーダーとして3D設計技術の革新に注力しています。これまで主にCATIA V5という3D設計ツールを使用し、製品情報を3Dモデルに組み込み、国際標準フォーマットのSTEP AP242に変換して長期保存する方法を採用していました。2016年9月から、このプロセスが改善され、中間フォーマットを経由せずに直接STEP AP242にデータを保存する方法へと移行しました。この変更にはISO基準に基づく製品データ同等性の検証も含まれており、データの正確性と55年以上の保存を可能にしています。さらに、ダブルカーネルチェックという手法を導入しており、設計データの正確性と効率性の向上を実現しています。エアバスのこれらの取り組みは、製造業における効率性と品質の向上に貢献し、業界全体に影響を与えています。

3DAモデルの成功例

2024年03月

◆ ドイツ自動車工業会(VDA)の例

自動車産業の設計技術進化は、特にダイムラー社の取り組みを通じて、業界の革新を牽引しています。ダイムラー社は3次元CADツールとしてNXを採用し、JTフォーマットという汎用的3DAモデルと組み合わせています。この革新的なアプローチにより、設計から製造までのプロセスが劇的に短縮され、電気自動車や完全自動運転車などの新プロジェクトに注力できるようになりました。ダイムラー社のこの戦略は、製造業界全体の効率性と品質向上に貢献し、新技術の迅速な開発と導入を促進しています。これは、業界全体の競争力強化と市場での成功を支援する重要な動きです。

3DAモデルの成功例
 Source: JT Format (ISO 14306) and AP 242 (ISO:10303) By ProSTEP

2024年03月

◆ エアバス社とダイムラー社の違い

Brep ASM 10303-59 10303-62 メッシュ 保存期間
エアバス STEP AP242  AP242
XML
1 55年
ダイムラー JT AP242
XML 
3 25年

ダイムラー社の3Dアーカイブモデル化の取り組みは、航空宇宙団体LOTARの運用基準に従い、国際標準化機構ISOの基準1303-62に準拠しています。情報記録のため、ダイムラーはJTフォーマットを主データとして採用し、CADデータの比較検証を行っています。軽量化データの面では、JTフォーマットがSTEP AP242よりも柔軟性があり、複数のトレランスレベルでのメッシュデータを管理できます。これにより、設計、シミュレーション、工場レイアウトのためのデータ利用が可能となります。JTデータの潜在的な問題に対処するため、JT Openプラットフォームが設立され、STEP AP242のデータをJTに統合することも検討されています。ただし、ダイムラーとエアバスの最新情報は社外秘であり、詳細は不明です。この取り組みは、3Dモデル化の進化と製造業の効率化に寄与する重要な事例として評価されています。

2024年03月